囲碁が強くなる方法2
強くなりたいなら詰碁やれという話です。読みの世界を黄泉の世界にするのはやめましょう。
別系統ですが、一応part1
gasin.hatenadiary.jp
はじめに
プロを目指していない人にとって囲碁は所詮趣味なので好きなことをやればいいのですが、強くなりたいなら詰碁は避けれないよということを伝えようとする記事です。成長が実感しにくいのと飽きやすいという面があるため、アマチュアには避けられやすいですが、あまりに軽視されている気がしたので書きました。
詰碁の効用
詰碁をやると、頭の中で盤を描いて先読みをしたり、長い時間考え続けるという能力が鍛えられるのでそれを鍛えると何が強くなるのかを書きます*1。
布石
詰碁をやっていると、数手先まで考えることができるので、着手の判断がしやすくなります。特に定石周りで石がぶつかり始めたら読みの世界に入るので読みが強ければ勝てます。よって読みが強ければ布石は勝てます。
中盤
戦いの碁だったら読みの世界なので読みが強ければ勝てます。おとなしい碁だったら構想を練ることが大事ですが、読みが深いと深い構想を練ることができるので勝てます。よって読みが強ければ中盤は勝てます。
終盤
ヨセは小競り合いの連続のようなものなので、読み勝負です。よって読みが強ければ終盤は勝てます。
結論
囲碁は読みゲー。
流石にいろいろと過激ですが、実際に読みが強ければ任意の場面で有利にことが進められるのは事実です。これは本当に僕がよく言うんですが、詰碁であの人には負けないんだけど対局ではあの人に勝てないみたいなことは滅多に起きないです。
なぜ詰碁が避けられるのか
まず、詰碁は解けないとつまらないですし、単調なので飽きるという話があって、割とそれがすべてです。こういうこともあって、いわゆるプロを目指す囲碁道場的なところでは詰碁の強制力がすごいです。普通のアマチュアにとっては恐ろしい量、難易度の問題が解かされます。ただ、まぁこれはどうしようもないので、強くなりたいなら頑張りましょう。詰碁は成長が実感しにくいですが、毎日難しめの詰碁を10問解くのを一か月続けるというのをやれば成長が実感できると思います*2。
その他の理由として、定石や棋譜並べ、~辞典、戦略本みたいなものを読むと楽に強くなった気になれるからです。実際に強くなります。定石を覚えたらその分有利に進められますし、新しい手を見たら次に使えるかもしれません。ただ、これは読みの深さに比べたらかなり小さな差です。実際に覚えたような手が使える場面は一局において0~若干ですが、読みが必要な場面は一局においてほぼ全場面です。確かに、いろいろな手を知ってればかっこいいですし、気分はいいですが、勝敗的にはそこで勝負が決まることはめったにないです。そもそも、定石とかその他の流行りなんて数年たったら多分過去のものになってます。
まとめ
強くなりたいなら一か月10問以上詰碁やってみましょう。もしあなたが級位者ならいくつか級が上がるでしょうし、低段者なら一つぐらい上がると思います。高段者の人はもうちょっと頑張らないと実感できないかもしれないです。
情報系としてそういう言葉を使って読みの大切さを伝えたくなったのでおまけ
単純化して考えると、読みの強さとは探索の正確さ、深さ、速度のことで、その他の技術は評価関数のチューニングです。AIを作ったことがある人はわかると思いますが、こういう探索系のゲームにおいて読みの強さは本当に重要で、AIコンテストによっては高速化頑張るパートが本質になったりします。評価関数ももちろん重要ですし、とても高性能な評価関数を搭載したら探索が浅くても勝てる場合もあります。
今、AIを育成するゲームをしている気分になったとします。探索というオプションを取ると、少しずつですが確実に読みの性能が向上することが保証されています。評価関数というオプションを取ると、評価関数が鍛えられていきます。ただ、評価関数というのは不確実なものなので常に強くなる方向に進むとは限りませんし、これといった正解があるわけではありません。多くの場合は強い人のマネをすることになります。
このゲーム、長い目で見れば絶対に探索オプションに重きを置くべきです。確実に強くなることが保証されているオプションというのはものすごく強いです*3。極端な例として考えると、探索オプションに全振りした人は常に強くなり続けますが*4、評価関数オプションに全振りした人はどこかで頭打ちになってきます。進むべき方向もわからない上に、評価関数が強くなるにつれてどんどん改善しにくくなるからです。
まぁ何が言いたいかというと、自分の脳にある囲碁AIを客観的に長期的に見て強くしようとしたら、自明に詰碁に勉強時間を振るという話なので、詰碁やりましょうということです。伝わりやすいと信じている(?)。